日々

インスタグラムに綴るにはなんかあれ

水無月

屹度こんな夜遅くにふらふらと出掛けると蚊に刺されちゃいますよ と若い警察官は微笑して言う そっかもう6月なんだ 彼方此方で蛙が鳴いている 夜空のオリオンは姿を見せなくなった いつの間にやら街行く人は皆衣替えをしていたし 自分も無意識のうちに半袖を選んで着るようになっていた お勤め御苦労様です 私の声はじめりとした日中とは打って変わって湿度を感じない真夜中の空気に乗って揺れた サンダルを蹴っぽりながら歩く つくづくこの街はあたたかくて涼しい街だと思う

誕生

やっぱりね,結局世の中は「最後」ってのに夢中.平成という時代を最後だ最後だと騒いでいた皆,どこへいった,「令和」の最初はそれと比べてそんなに,だね.まあどうでもいいことなんだけれども.

しかし,最初も喜びたいよね,というより,最初を喜ぶべきだと思うんだ.”最初”には一定の将来があるから.生命も時代も音楽も学問も,新たな誕生を祝福しよう.これからを生きていく私たちは,今という瞬間と,これからの将来を見据えて,生きていこう.例え今がどんなにつらくとも,生きてさえいればいいから.

終焉

アーケード街には大きな日の丸国旗が夜風になびいている.この国の旗は本当に美しい.来週には平成時代が幕を降ろす,らしい.どうにも信じがたい.新時代が始まる.と言っても結局自分の生活が一変するわけでもなく,ふらっと起きたい時間に起き,お腹が空いたらご飯を少し食べて,夜は丁寧なお酒を嗜み,眠る.それだけなんだと思う.でも,令和元年なんて文字におこすのは気恥ずかしいだろうな.電線のカラスがカアと鳴く.きっとカラスだって時代を嘆いている.私も真似してハアとため息をついてみる.世間が阿呆みたいに「平成最後の〜」と騒ぐ前々より私は,平成という時代が終わることをソワソワと考えてきたけれども,なんかもういいや,終わるものは終わるし,新しく始まるものだっていつか終わるのだから.この世界はそれだけなんだよな.

メンヘラに憧憬の念を抱く

メンヘラに憧憬の念を抱いている

 


そもそもメンヘラとは何か,私は,よくわからない.あのコってメンヘラだよね,なんて軽々しく用いる言葉ではあるものの,よくわからない.メンヘラという人間の性質や生態は定量的に表すことができないと思うし,また,表してはいけない,とも思う.この世の中はきっとメンヘラか,メンヘラではないか,と二分化がされている.自分がメンヘラかどうか,自分では評価することはできない.きっとそれは客観的に評価されるものだと思うから.ところで,私はここ最近ずっとメンヘラに憧憬の念を抱かずにはいられない.羨望の眼差しを向けてしまう.それは,彼ら・彼女らが「メンヘラ」というプロファイルを所有している存在であるから.自分が何者であるか,杳として知れないこの世の中で,彼ら・彼女らは確固たるそれを持っている.それはとても優秀で,例えば,何がある訳でもなく涙が出そうになるときも,「これは,メンヘラだからである」と自身の感情等を会得し沈静化することができるのだ.いいな.メンヘラというと,情緒不安定でいて敬遠されがちな印象が一般的であると思うが,実際は真逆であるのだ.一番安定することができる存在だ.ああ,きっとそうだ,メンヘラ万歳!はやく皆も,「メンヘラ」と大きな声で客観的評価してもらう為の努力をしようではないか!

なんて素晴らしき世界

なんて素晴らしき世界

 

私は,男友達や先輩等に恋愛対象として好かれることが心底嫌い.それは私はいち人間として接していたにも関わらず相手からはいち女性として恋愛対象として接されていた,という認識のズレがある種の裏切り行為と感じてしまうため.

先日,普段と変わらない土曜日の夜,水タバコとレッドブルウォッカを愉しんでいると,目の前の彼は言うのだ,私のことが好きだ,と.

あまりにも想定外であり,一瞬全ての思考が停止しそうではあったが,気づけば笑いが止まらなくなっていた.

だって彼は,これが私にとっての裏切り行為であると知りながら,私の目の前で私を堂々と裏切ってきたのだから.それでいて,付き合ってもいないのに結婚しようと申し込んできてやがる.

はあ,本当に最高だ.私はそういうところにずっと惚れてきているのですよ.

 

裏切られて,それでもその人を信じたいと思えるか,だったんだ.22年間生きてきて初めて気がついた.この感覚をこれまで一切知らずに生きていたよ.

 

”愛だの恋だの洒落てんな”  愛やら恋やらに代わる新しい言葉もきっと要らないし,あったとしてもまた新しい言葉が欲しくなる.それならもう何も要らない.洒落てなくていい.

 

新しい時代の幕開けかな.

 

 

 

面白かったので,プロポーズは笑顔で承諾しました.私は信じます.ありがとう,以上です.

卒論発表を終えて

卒論発表を終えて

同期の卒論発表が終わり 淀んだ空気が佇む会場を後にする 完璧な発表を聞けて自分のことのように嬉しく 足どりは軽やかだ 思いきり外の空気を吸い込んで 吐き出さずに飲み込んだ 卒論の制作と発表において私たちは何と戦ってきたのか 本当は何とも戦わなくてもよかったんだ 一生モノのひとつの価値を手に入れて 少しだけ前に進めた気がする

卒論発表前夜になにを思う

卒論発表前夜になにを思う

仙台の夜は明るい こんなに明るくなくてもいいんじゃないかなと思うけれど もし暗かったら心細くなるし これくらいがちょうどいいのかもしれない 明日は上手く喋れるかな 家に帰ったら少しは練習しよう 私のためにじゃあなくて 周りの人のために 先生 忙しいなかこんな拙い発表をチェックしてくれてありがとう サークルの先輩 なんだかんだいつも気にかけてくれて 私の卒業決定も誰よりも喜んでくれてありがとう 研究室の先輩 同期 大バカ者の私を受け入れてくれてありがとう いつも一緒にいてくれてありがとう あのペラペラな紙に謝辞として書くなんて勿体ない 特に同期はこの人じゃなきゃダメだった どんなにすくわれたことか なんて言うんだろう 最高?最強?この感情にうまく当てはまる単語がないんだよな すき じゃなくて あい でもなくて 何かちょうどいい日本語がほしい まあ最高でも最強でもすきでもあいでも代替可能なんだけれど 自分にとって最高の存在だからこそ 最上級の単語が欲しいよ神様 

仙台の夜は明るい 新潟の夜は明るい?

今日の通夜に行けなくてごめんね 本当は私は君に聞きたいことがあって 本当は今すぐにでも答えて欲しかったんだけど また今度にするね 23:30 黄色いバラを持って空に近いところで空をみあげる 今夜は星が綺麗だけれど月には雲が薄くかかっていてその光は淡い 明るい月をみたら泣きそうだったからちょうどよかった ありがとう神様