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ヴィヨンの妻 評され方の違和

ヴィヨンの妻

太宰治のなかでも人間失格と同様に、重く考えさせてくれるお話です。何度も読みました。ストーリーとしては単純明快です。しかしそのなかには、何度も読む価値を見出すことのできる言葉がたくさんあります。蛍光ペンでぴぃっと線を引きたいくらいです。

 

 

ヴィヨンの妻 あらすじ と検索してみてください。ダメな夫をもつ妻が強く生きていくようになる話 みたいに書かれていることが多いです。

 

違います。


読んだことのない人にも分かってもらえるように、この夫がどれくらいダメかと言いますと、メンタルが異常に弱いうえ、他の女と遊び、子どもが熱を出していても構わずに酒に溺れ、椿屋という店で3年間もお金を払わずに酒を飲み続け、挙げ句の果てに店からお金を盗み、刃物を振り回し逃亡した程度です。

そんな夫を、ただ家で待ち続けていた妻が椿屋に罪滅ぼしで働き始め、自主性を持ち始める話だと、一般的に知られていると思います。

 

違います。

 

最終的には、妻、名誉も何も捨て客の男と寝て金を得て人間としての美しい生き方を捨てたんです!!!


どんな手使ってでも、世間にどう評価されようとも、生きてさえいればいいやという超超ウルトラ諦観の念と少しの自主性をゲットした妻と それでも相変わらずダメ人間な夫のお話です。

 

世間からの評価が少し違ってるなと思ったことを上に記しただけであり、内容としては素晴らしいので、興味がある人は是非読んでほしいです。以上。