日々

インスタグラムに綴るにはなんかあれ

卒論発表を終えて

卒論発表を終えて

同期の卒論発表が終わり 淀んだ空気が佇む会場を後にする 完璧な発表を聞けて自分のことのように嬉しく 足どりは軽やかだ 思いきり外の空気を吸い込んで 吐き出さずに飲み込んだ 卒論の制作と発表において私たちは何と戦ってきたのか 本当は何とも戦わなくてもよかったんだ 一生モノのひとつの価値を手に入れて 少しだけ前に進めた気がする

卒論発表前夜になにを思う

卒論発表前夜になにを思う

仙台の夜は明るい こんなに明るくなくてもいいんじゃないかなと思うけれど もし暗かったら心細くなるし これくらいがちょうどいいのかもしれない 明日は上手く喋れるかな 家に帰ったら少しは練習しよう 私のためにじゃあなくて 周りの人のために 先生 忙しいなかこんな拙い発表をチェックしてくれてありがとう サークルの先輩 なんだかんだいつも気にかけてくれて 私の卒業決定も誰よりも喜んでくれてありがとう 研究室の先輩 同期 大バカ者の私を受け入れてくれてありがとう いつも一緒にいてくれてありがとう あのペラペラな紙に謝辞として書くなんて勿体ない 特に同期はこの人じゃなきゃダメだった どんなにすくわれたことか なんて言うんだろう 最高?最強?この感情にうまく当てはまる単語がないんだよな すき じゃなくて あい でもなくて 何かちょうどいい日本語がほしい まあ最高でも最強でもすきでもあいでも代替可能なんだけれど 自分にとって最高の存在だからこそ 最上級の単語が欲しいよ神様 

仙台の夜は明るい 新潟の夜は明るい?

今日の通夜に行けなくてごめんね 本当は私は君に聞きたいことがあって 本当は今すぐにでも答えて欲しかったんだけど また今度にするね 23:30 黄色いバラを持って空に近いところで空をみあげる 今夜は星が綺麗だけれど月には雲が薄くかかっていてその光は淡い 明るい月をみたら泣きそうだったからちょうどよかった ありがとう神様

誰かと交信する友人の話

今宵も彼はひとり 建物から離れた開けた 少しでも夜空に近づける位置で 最近五百円台に値上がりしたトランシーバーを片手に 白い煙をツゥと空に上らせている 誰かと交信している たぶん すぐに会いたくとも会えない誰かに 歓びも憂いも 彼の感情全てをぶつけて交信している 今宵は見上げた夜空のアンテナが 満ち足りているようで少しだけ足りていない こりゃ堪んないね 白い煙は月に届く前に見えなくなってしまうけれども きっと目には見えない速さでヒュンとアンテナで反射してる きっと 見えていないだけ 燃え尽きるその最後まで 一瞬足りとも気を抜くな 全ての愛をその煙に乗せて

負けるな喫煙者

煙草が増税されたらしいですね

 

知らないですけど

 

ニコチンの量が増えているわけでもないのに可哀想に

 

知らないですけど

 

もしコーヒーやお酒に多額の税がかけられてしまったら 知らないですけどでは済まないな私は

 

だから喫煙者頑張れ

白いマーガレット


私の気に入っているバーのカウンターテーブルには その時々に生き生きとした花が洒落た花瓶に生けられていて つい先日サングリアを飲みに行った時は白いマーガレットがあった.隣に座っていたスーツの男が「マーガレットの花言葉は優しさなんだよ」と静かな店内で声を上げていたが あまりにも軽率だったもので思わずプッと笑ってしまった.優しさってなんだよ 広範囲すぎだろ.

マーガレットの花言葉は真実の愛 花占いで用いられるのはこういう意味.それくらい小学生でもわかる.呆れてグラスに残っていたサングリアを一気に飲み干す.

 


花占いね

私は昔から花占いというものが苦手だ.すき きらい すき そんなこと花びらを数えなくとも 好きなものは好きだし 嫌いなものは嫌い.こうやって幻想を抱かないつまらない人間であるから こうもひとりでバーにひとり酒を飲みに来るのかもしれない.

 


まあ時間も余裕があるし 精神的にも余裕がある夜だった テーブルの上にある純真な色のマーガレットを さすがに花びらを散らしていくのは不躾なので指で数えることにした.

 


きらい・すき・きらい・すき・きらい...どうも”きらい”から始めてしまう卑屈な本能に自分でも呆れる.きらい・すき...そして最後には一枚 すきの花びらが残る.すき.ふぅんとアルコールの混じったぬるいため息をつく.もうひとつ もうひとつと別のマーガレットを数えてみても 最後にはすきの花びらが残るのだ.なんとも不思議な夜だ.幻想を抱かない私でも きっと何かを すき なのかもしれない.得体の知れない感覚が気管を熱くする.

 


追加で頼んだウイスキーを口に含んでいるうちに だんだんとこのマーガレットに腹が立ってっきた.なんだよ真実の愛って.真実なんて晒すべきではないんだ.とここで三島由紀夫を思い出す.

 

 

 

どんなに醜悪であろうと,自分の真実の姿を告白して,それによって真実の姿をみとめてもらい,あわよくば真実の姿のままで愛してもらおうなどと考えるのは,甘い考えで,人生をなめかかった考えです.

 


これは三島由紀夫の不道徳教育論という本の中の一節で 大学一年生の時にこの文章をひどく憎んだことを私は今でも忘れられない.これを読んだ日の夜 人間は嘘偽りの中で ひたすらもがきながら生きていかねばならないと悟った.悲しいけれども この考えが間違っていると言い放つことができなかったし言い放つ気力さえ湧かなかった.

 

晒すべきではない真実の愛

それでも私は1mmくらいこの甘い考えをもって生きている

ディセンバー

帰路 今晩は大した飲み会じゃなかった タクシーに乗りたい気持ちを抑えてひとり 足を前へ動かす 厚手のコートのポケットからココアシガレットを一本取り出して咥える ぽりぽりと噛み砕いて深くため息をつけば 白い吐息がタバコの煙のように寒空をのぼるので なんだか少しだけ大人になれた気がした

高速バスにて おばさん

高速バス出発時刻のギリギリになってしまった 慌ててスーツケースをバスのトランクに仕舞い指定していた9C席に飛び乗ろうとすると 運転手さんは困った顔をして私に言うのだ 「すみませんが10Cの席に移動していただけますか?ちょっとうるさいお客様がいましてねぇ」どうやら3列シートのバスのなかで10列目のC席だけが後尾にあるトイレの横に突き出す形であって それが気に食わないと騒ぎ立てた人がいたようだ 大したこだわりがあるわけでもない私は構いませんよと笑顔で会釈し 10C席に深々と座った バスは私の所為で3分だけ遅れて発車した 本日はご乗車ありがとうございますというアナウンスが流れる しばらくして9C席のおばさんはそわそわと振り返り私に向かって言うのだ 「あの あなた元々そちらの席の方ではないですよね?」「 はい 席を交換する旨を運転手さんから伺いましたよ」 するとおばさんは目を細めて言うのだ 「私後ろに誰もいない席がよかったのに あなた別の席に移動してくれない?」 私は大層に驚いた これほどまでに都合がいい人間が世の中にいてたまるのか 10C席は最後列ではあるが横にトイレがあるために座りたくないと駄々をこね 9C席に座ると今度は後ろに人がいることが不快だと駄々をこねる 私にバス中央列である9B席に移動しろと言うのだ ちょっとうるさいお客様どころの話ではない 

 

世の中には様々な人がいる そんな中で私はこれから上手に受け入れて/受け流して生きていかなくてはならない そう改めて思った瞬間であった


このあとピシャリと言い放った私の一言でおばさんは結局静かに9C席で不愉快でありながらも申し訳なさそうな顔でスマホをいじっている

 


「ここはあなただけの社会ではないので」